新型コロナウイルスのインパクト
いま製薬企業に求められる変化とは?
リモートディテ-リングが19倍へと激増!
2019年12月以降、感染拡大を続ける新型コロナウイルス。社会や経済活動への影響は計り知れず、これまで当たり前に行われてきた企業活動や医療システムまでを大きく変えようとしている。そうした中、感染予防策として対面コミュニケーションの制限が進んでいるが、これが製薬業界におけるMRの活動に深刻な影響を及ぼしている。
MRの主な役割は、医薬品に関する情報を医師をはじめとする医療従事者へ提供し、その適正な使用を促すことである。そのため、医薬品の有効性や安全性を詳しく説明するために、対面によるコミュニケーションが重視されてきた。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、ネットワークを介して医師へ遠隔から詳細情報を提供するリモートディテーリングが急増しているという。
Veeva Japan社の調査によると、日本における2020年4月のリモートディテーリング件数は同年1月に比べて1,941%増となり、MRから医師へのメール送信数も同366%増になったという。もはや医師と製薬会社の双方にとって、デジタル技術を使った情報提供は不可欠になったといえる。しかもそのリモートでの平均ディテール時間も23分に増え、1.5倍超に増大している。つまり、製薬会社にとっては、これまで主流だった対面でのMR活動を衰退させることなく、従来以上にMRの活動を支援するマルチチャネル、テレワークの環境を早急に確立すべき事態となっているのだ。
▲新型コロナウイルスの影響により、MRと医師とのコミュニケーションは2020年4月に一気にオンラインへ移行した(調査:Veeva Japan/2020年4月)
「Veeva CRM Engage Meeting」でMRの活動継続を支援
リモートディテーリングにおいては、機能面のみならずコンプライアンスの確保が重要視される。顧客情報管理の体制をはじめ、医薬品業務に関わるデータ、プロセスは規制順守に加え、即時性が求められるからだ。
これらの要件を満たしたオンラインエンゲージメントツールが、「Veeva CRM」のアドオンとして提供される「Veeva CRM Engage Meeting」である。Veeva Japan社によると、日本では2020年4月からVeeva CRM Engage Meetingの利用件数が急増しており、1日当たりの実施件数は顧客全体で数百件に達している。医師との面談やセミナー等の対面イベントの機会が激減する中、それに反比例するかたちで、Veeva CRM Engage Meetingの利用頻度が増加しているのである。
Veeva CRM Engage Meeting はVeeva CRMと完全に統合されているため、承認済みのCLMコンテンツもオンラインディテーリングの中で簡単に利用できるのが特徴だ。また、利用したコンテンツの履歴を医師ごとに記録。すべてのアクティビティがCRMに登録されるため、対面でのコミュニケーションを越えるデジタルエンゲージメントならではの特性を備えている。
▲Veeva CRM Engage Meeting はVeeva CRMのアドオンツールとして提供されるため、承認済みのCLMコンテンツもオンラインディテーリングの中で簡単に利用できる
Veeva CRMは年に3回のアップデートが実施されており、最新のトレンドやテクノロジーも随時取り入れられている。日本のガイドライン対応の機能も随時搭載されており、安心して利用できるというメリットもある。リモートからの署名機能の実装も予定されており、対面での署名が難しい状況が続く現状において、さらに活用の幅が広がることはまちがいない。
リモートミーティングを円滑に進めるために
対面コミュニケーションの制限というハンデを克服するには、リモートミーティングに準じた話法への対応やトレーニングも必要となる。具体的には、医師側がスライドを見ているかどうかを確認し、さらに質問がないかを丁寧にヒアリングするなどといった、リモートミーティングならではの細かい配慮も求められる。Veevaでは、こうしたナレッジも日々蓄積しており、顧客に対して積極的に共有していく計画だ。
同社では、まだVeeva CRM Engage Meetingを利用していないVeeva CRMユーザーに対して、Veeva CRM Engage Meetingの利用ライセンスを2020年8月31日まで無料提供している。対面でのコミュニケーションができなくなっても、医師への情報提供においてMRは必要不可欠な存在である。Veevaは、医療従事者が患者のケアにこれまでと変わらず尽力できるようにするために、MRの活動を引き続き支援していく方針だ。